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久保田 直義; 落合 謙太郎; 沓掛 忠三; 近藤 恵太郎*; 洲 亘; 西 正孝; 西谷 健夫
Fusion Engineering and Design, 81(1-7), p.227 - 231, 2006/02
被引用回数:5 パーセンタイル:36.24(Nuclear Science & Technology)水素同位体は、プラズマ対向機器の表面領域において、燃料粒子リサイクリングやプラズマ運転条件を考えるうえで重要な役割をはたす。この点に着目して、日本原子力研究所FNSでは、2002年から核融合炉関連機器のための元素分布分析を開始している。本研究では、表面領域での水素同位体挙動を明らかにするために、D-Tプラズマに曝されたTFTRタイル内のトリチウム深さ分布分析をFNSにて行った。イオンビームを用いた核反応分析の結果、4種類の元素すなわち重水素,トリチウム,リチウム6及びリチウム7が検出された。測定されたエネルギースペクトルから各元素の深さ分布を計算したところ、重水素とリチウムが表面から1mまで一様に分布しているのに対し、トリチウムは0.5mにピークを持つ分布であることがわかった。また、TFTRタイルの表面領域は深部に比べて1桁高い量のトリチウムを保持していることがわかった。
曽野 浩樹; 柳澤 宏司*; 大野 秋男*; 小嶋 拓治; 空増 昇*
Journal of Nuclear Science and Technology, 42(8), p.678 - 687, 2005/08
被引用回数:4 パーセンタイル:30.44(Nuclear Science & Technology)臨界事故時の線放出挙動のさらなる理解及び外部被ばくの正確な評価のためには、線線量の成分分析が不可欠である。その線量成分を、臨界継続中の即発成分,遅発成分及び擬似成分、並びに臨界停止後の残存成分に区分して評価した。この評価は、TRACY施設におけるホウ酸リチウム熱蛍光線量計(TLD)を用いた線量計測実験とモンテカルロ・コードによる解析の組合せにより行った。評価の結果、上記成分の線量割合がTRACYの炉心タンクからの距離によって変化することが確かめられた。その変化は、各成分の炉心タンクからの距離に応じた減衰の差によるものであった。評価された線量割合は、線被ばくの正確な評価のために除外すべき擬似及び残留成分の寄与を定量的に明らかにした。
武田 信和; 大森 順次*; 中平 昌隆
JAERI-Tech 2004-068, 27 Pages, 2004/12
ITER真空容器はトリチウムや放射化ダスト等の放射性物質を閉じ込める安全機器である。本報告では、真空容器支持脚について、真空容器下部ポートから支持する独立支持構造を提案する。この独立支持方式は2つの利点を持つ。一つは、真空容器とトロイダル磁場コイルとの大きな温度差による熱荷重が軽減される点であり、もう一点は、トロイダル磁場コイルが真空容器と独立であることにより、安全機器として分類される必要がない点である。この支持脚の健全性を評価するため、真空容器の詳細モデルを用いて応力解析を実施した。その結果、真空容器とトロイダル磁場コイルとの相対変位は、設計クリアランスの100mmに対して15mmに押さえられた。また、支持脚を含む真空容器の応力はASMEで定められた許容値以下に押さえられた。これらの評価によって、提案する独立支持構造が真空容器支持脚として成立することが確認された。
武田 信和; 大森 順次*; 中平 昌隆; 柴沼 清
Journal of Nuclear Science and Technology, 41(12), p.1280 - 1286, 2004/12
被引用回数:3 パーセンタイル:23.51(Nuclear Science & Technology)ITER真空容器はトリチウムや放射化ダスト等の放射性物質を閉じ込める安全機器である。現設計では、多層板バネによる真空容器支持脚はトロイダル磁場コイルに直接接続されているが、本論文では、真空容器下部ポートから支持する独立支持構造を代替案として提案する。この独立支持方式は現設計と比較して2つの利点を持つ。一つは、真空容器とトロイダル磁場コイルとの大きな温度差による熱荷重が軽減される点であり、もう一点は、トロイダル磁場コイルが真空容器と独立であることにより、安全機器として分類される必要がない点である。この支持脚の健全性を評価するため、真空容器の詳細モデルを用いて応力解析を実施した。その結果、真空容器とトロイダル磁場コイルとの相対変位は許容値100mmに対して15mmに押さえられた。また、支持脚を含む真空容器の応力はASMEで定められた許容値以下に押さえられた。これらの評価によって、提案する独立支持構造が代替案として成立することが確認された。
仙田 郁夫*; 藤枝 浩文; 閨谷 譲; 多田 栄介; 荘司 昭朗
JAERI-Data/Code 2003-012, 73 Pages, 2003/07
トカマク核融合プラズマのシステム応答解析を目的に開発されたSAFALYコードの改訂を行い、コードの解析パラメータについて感度解析を実施した。報告書は2部で構成される。第一部ではプラズマ及びプラズマ対向機器のモデル化,解析パラメータの詳細、及び2001年ITER-FDRの標準的プラズマを用いた解析結果について報告した。本書第二部では、プラズマの初期状態や解析パラメータについての詳細な感度解析の結果を報告する。これらの感度解析の結果は、SAFALYコードを用いた解析結果の妥当性や保守性を検討する際の重要な情報となる。感度解析は、プラズマ初期状態に対する感度解析と解析パラメータに対する感度解析に分けて実施した。プラズマに加わる擾乱として、燃料過剰注入,プラズマ閉じ込め性能改善、及び過剰外部加熱を検討した。はじめに、各擾乱について、プラズマ初期状態に対する感度解析を実施し、擾乱とその擾乱に対して最も大きな出力変動を与える初期状態を求める。次に、SAFALYコードの解析パラメータに関する感度解析として、最大出力変動を与える初期状態を用いて、解析パラメータの変化が結果に与える影響を評価した。
仙田 郁夫*; 藤枝 浩文; 閨谷 譲; 多田 栄介; 荘司 昭朗
JAERI-Data/Code 2003-008, 37 Pages, 2003/06
トカマク装置の安全評価にかかわるプラズマ過渡解析を行うことを目的に開発されたSAFALYコードの改訂を行った。改訂では、プラズマのモデル化及び計算アルゴリズムを修正したほか、新たにプラズマ電流の時間変化機能の追加、プラズマ制御系モデル化の強化など、新規の機能追加を行った。また、プラズマ対向機器のモデル化が容易にできるよう修正した。そのほか、プラズマ対向面間の輻射による熱相互作用にかかわる形状行列など、解析に必要なデータを揃えるためのコード体系の整備を行った。報告書は2部で構成される。本書第一部ではプラズマ及び真空容器内機器のモデル化,解析パラメータの詳細、及び2001年ITER-FDRの標準的プラズマを用いた解析結果について報告する。第二部では、プラズマの初期状態や解析パラメータについての詳細な感度解析の結果を報告する予定である。
内山 智曜; 及川 哲邦; 近藤 雅明; 渡辺 裕一*; 田村 一雄*
JAERI-Data/Code 2002-011, 205 Pages, 2002/03
本報告書は、地震に対する原子力発電所の確率論的安全評価(PSA)におけるタスクの1つであるシステム信頼性解析を目的として原研で開発してきた地震時システム信頼性解析コードSECOM2の使用手引としてまとめたものである。SECOM2コードには、炉心損傷または任意の頂上事象の発生条件を表すフォールトツリーとそれを構成する機器等の耐力や応答に関する情報、地震危険度曲線等を入力として、応答係数法に基づいた地震動レベルごとの機器損傷確率やシステム機能喪失確率の計算,当該サイトでの地震危険度曲線を組み合わせた事故シーケンスの発生頻度や炉心損傷頻度の計算,さまざまな指標を用いた重要度評価,不確実さ解析,応答及び耐力の相関性を考慮した炉心損傷頻度の評価等を行う機能がある。本報告書では、これらSECOM2の機能について計算方法を示し、各機能を用いる際の具体的な使用方法について説明する。
石原 正博; 伊与久 達夫; 二川 正敏
Nucl. Eng. Des., 154, p.83 - 95, 1995/00
被引用回数:6 パーセンタイル:54.86(Nuclear Science & Technology)高温工学試験研究炉(HTTR)の炉内黒鉛構造物は、互いにダウエルとソケットあるいはキーとキー溝のはめ合いにより結合する構造となっている。地震時には、黒鉛ブロックに作用する地震荷重がこれらの結合要素に集中するため、地震時における黒鉛構造物の健全性を確保する上でこれら結合要素は重要な部位となっている。そこで、結合要素の耐震健全性を実証するため、実寸モデルのダウエルとソケット及びキーとキー溝構造を有する試験体を用いて要素試験を実施した。その結果、HTTRの設計上想定している最大の地震荷重がダウエルとソケット要素に作用した場合に3.5倍以上、キーとキー溝要素に作用した場合には6.2倍以上の安全裕度があることが明らかとなり、結合要素の耐震健全性が実証された。
近藤 昌也; 安濃田 良成; 久木田 豊
Proc. of 2nd Int. Conf. on Multiphase Flow (ICMF)95-KYOTO,Vol. 2, 0, p.P1_97 - P1_102, 1995/00
気液水平二相流における波状流からスラグ流への遷移機構を評価するに際して、スラグ発生直前に見られる界面波の特性を把握することは重要である。そこで、界面波のスペクトル分布及び各周波数成分ごとの伝播速度をウェーブレット解析とフーリエ解析を用いて評価した。その結果、両者による伝播速度は深水波の理論値と概ね一致し、伝播速度の波数依存性が波群の形成や波と波の相互干渉などの視覚観察された現象の原因であることが確認された。さらに、界面波の非対称性(峰と谷の形状の相違)をウェーブレット解析により評価し、波の形状が近似的にストークス波により表わされることを見出した。
秋場 真人; 荒木 政則; 鈴木 哲; 伊勢 英夫*; 中村 和幸; 横山 堅二; 大楽 正幸; 田中 茂
Journal of Nuclear Materials, 191-194, p.373 - 376, 1992/00
核融合実験炉のプラズマディスラプション時には、プラズマ対向機器表面に20MJ/m程度のエネルギーが入ると予想されている。しかしながら、このように高い熱負荷での材料損傷に関するデータは殆どないのが現状である。今回、300~1800MW/mの熱負荷における黒鉛材料の損傷挙動について調べた。その結果、(1)損傷深さは材料の熱伝導率に反比例する、(2)1000MW/m以上の熱流束では、材料表面からの粒子飛散が激しくなり、SEM観察の結果、材料が一様に激しく損耗していることがわかった。(3)損傷深さを解析と比較した所、解析値の約3倍程になっていることが明らかとなった。
羽田 一彦; 藤本 望; 数土 幸夫; 和田 穂積*
Proc. of the 1st JSME/ASME Joint Int. Conf. on Nuclear Engineering,Vol. 2, p.291 - 298, 1991/00
高温工学試験研究炉(HTTR)は、我が国最初の黒鉛減速ヘリウム冷却型原子炉であり、原子炉出口での冷却材温度は950Cと非常に高温である。このような高温炉の構造健全性を評価した経験はこれまであまりなく、このため、その過渡応答、特に熱的な過渡応答を解析するための信頼できる手法を確立することが急務であった。この手法としては、想定される過渡事象をいくつかの負荷カテゴリーに分類し、各カテゴリーごとに代表事象を選定するための考え方、解析条件及び解析モデルの定め方、並びに解析コードを確立する必要がある。本論文では、この手法を開発するとともに、代表的な熱過渡解析結果を示す。解析結果から、HTTRのユニークな特徴が解明されるとともに、HTTRは固有の安全性が高い原子炉であることが明らかになった。
宇賀 丈雄
圧力技術, 13(5), p.264 - 271, 1975/05
原子力プラントの仮想事故状態(Faulted conditions)における構造強度評価法がASME Pressure Vessel and Boiler Code Sec.IIIの1972年Winter Addendaで大幅に追加・改訂された。本報はそれにもとづいて仮想事故状態に対する強度設計の考え方,解析方法,強度評価基準などについて説明し、あわせて従来弾性理論にもとづいてなされてた強度解析手法を準用して、塑性域の強度解析を行なう擬似弾性解析手法としての応力比法についても説明・解説を行なった。
山根 祐一; 阿部 仁
no journal, ,
東京電力福島第一原子力発電所の事故後、日本の再処理施設に対する規制基準が刷新され、臨界事故などの重大事故に対する事故対策とその有効性を評価することが求められている。この論文は臨界事故影響の最適評価に関する課題をまとめ、臨界事故におけるソースタームを評価する新しい手法を提案する。公衆と作業者の被ばく量の最適評価の観点から核燃料施設の臨界事故の特徴、例えば、短半減期核種の生成などについて記述する。これらの特徴に照らして、DOEハンドブックに記載されている五因子法に基づいて臨界事故時のソースタームの評価を行う方法を提案する。
朝比 祐一; 藤井 恵介*; 前山 伸也*; 井戸村 泰宏
no journal, ,
第一原理的ジャイロ運動論的シミュレーションは理論,実験解析問わず、プラズマ乱流輸送解析に幅広く利用される。計算は空間3次元,速度2次元,時間1次元の合計6次元空間内で行われ、膨大なシミュレーションデータが生成される。本研究では、主成分分析(PCA)による次元削減によって頻出する位相空間内構造の抽出を行った。PCAにより64の主成分で83%の累積寄与率が得られた。主成分(つまり位相空間構造)の熱輸送への寄与解析により、位相空間の共鳴構造が突発的な熱輸送へ寄与していることを明らかにした。
大場 正規
no journal, ,
GdO、TiO、ZrOのデータから加工で得た462種類の学習データをPCAにより次元削減を行った。学習後、実試料のデータ62種類をテストデータとして元素の含有比を解析した。前回同様、実試料の真値と解析値の校正曲線を作成し、含有比を解析する。今回用いたニューラルネットワークは、入力層-中間層(2層)-出力層という構成で、中間層は各100ノード2層用いた。学習データのPCAの結果、7944次元(ピクセル)の学習データを5次元に大幅に削減することができた。これを用いて学習させ、テストデータを解析した結果、真値との差およそ10%で、前回とほぼ同様な値であった。